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子供に英語を学ばせるのはいつから?幼少期がいいとされる理由とおすすめの方法

2023/05/08

日本では2020年から小学校3、4年生で「外国語活動」、5、6年生で「外国語」という教科が採用されました。また、グローバル化が進む昨今において就職活動でもTOEICといった英語力を注視する企業も増えています。
そういった影響からか、近年では子供たちの習い事において、英会話や英語教室の人気が上がっています。

今回は、「いつから英語に触れ始めたほうがいいのか」という観点から、時期や理由、どうやって英語を学べばいいのかなどを紹介していきます。

英語はいつから始める? 幼少期がいいとされる理由

英語をはじめとした言語の取得のためには、その言語に触れる年齢が低ければ低いほうががいいとされています。その理由の一つに、人間の脳は学習するために適切な時期があり、その時期を過ぎると学習が難しくなるという考え方『臨界期(りんかいき)』があります。別名、「敏感期」とも言われる期間で、簡潔に言うと人間や動物が持っている力を発揮して、成果を生み出すまでに受ける特定の刺激に高い感受性を示す、限られた発生期間を指します。よく知られているものとしてカモやアヒルが生まれて初めて見た動く物体を親として認識し、付いていくようになる「刷り込み」も臨界期の一例です。人間には、人格教育や認定的学習にこの臨界期があるとされています。

「臨界期仮説」はエリック・レネバーグが提唱して以降、言語取得分野の研究が進み、現段階で提示されている通説は脳細胞の発達スケジュールから言語の取得に適した時期は幼児期(1歳前後)から思春期(12歳前後)まで。その時期を過ぎると言語習得能力が徐々に失われるため、母国語と同じレベルでの第二言語の習得は難しいとされています。

英語をしゃべるために大切な「音」を取得する

そもそも言語の取得は、発音などの「音韻」、文法などの「統語」、それぞれの言葉や文章を理解する「意味」といった3つの要因に分類されています。その中でも重要なのが「音韻」、すなわち音の理解です。日本では、母国語として「日本語」を使っています。これは誰に教えてもらったでもなく、ほとんどの人が周りの会話を聞きながら自然と身につけた能力だと思います。特に「どのように発音するのか」「どういう音を拾ったらいいのか」という感覚は、小学校で国語を勉強するよりももっと前に生理的に理解している人がほとんどでしょう。

この音の理解こそが英語を勉強するうえで重要なカギなのです。

音の取得は臨界期の中でも、統語や意味を理解するさらに前。例えば、絶対音感を得るには3~4歳と言われるほど、音の理解は幼少期の成長とともに進んでいきます。

英語を取得するために必要な環境は?

ここまで、「英語をはじめるなら幼少期から」とお話しする理由について話してきましたが、ここからは「英語を話せるようになるために必要な環境」についてお伝えします。

英語に触れる機会を作る

まずは音の取得。とにかく英語に触れる機会を増やしましょう。ポイントは日常の中に自然に取り入れること。無理やり押し付けてしまうと、子供にとってストレスになることも少なくありません。普段のちょっとした遊びなどの一部を、英語が流れるツールに変えてみるのをおすすめします。Youtubeなどに様々なコンテンツがあるので、子供の興味にあわせて探してみるのもいいかもしれません。

【おすすめの方法】
  • 英語のアニメや音楽を流す
  • 英語の音声が流れるおもちゃで遊ぶ
  • 英語の歌を歌う

英語を声に出す機会を増やす

音を理解したら、実際に発音してみる場を作ってあげましょう。「英語で実際にコミュニケーションを取るのは難しい」という親御さんでも、難しく考えなくて大丈夫です。「この歌いいね、歌えるかな?」「このアニメのキャラクターってどんなこと言うの?」など簡単な質問などを投げかけることで「英語を声に出して言ってみる」という機会を作ってみてください。その際、できれば親御さんも一緒になって英語を発することを楽しむといいでしょう。

【おすすめの方法】
  • 英語の歌を一緒に歌ってみる
  • 親子で一緒に楽しめる教育教材を使ってみる
  • 英語の絵本を一緒に読む
  • 英語の映画やアニメなどを一緒に楽しむ

一番大切にしたい「英語を楽しむ」ということ

英語をはじめとした言語の取得は適切な時期こそありますが、何より大切にしたいのは「自然と楽しんで身につけてもらう」ということ。言葉は、あくまでもコミュニケーションを取るためのツールです。英語の取得は、将来の可能性を広げるために必要なことで、ここがゴールではありません。

子供たちの興味や、日常生活の中に英語を交えることでストレスなく、自然と理解できるような環境を整えることを意識しましょう。

参考

 

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