日本における英語教育~英語を習う理由~
前回は「幼児の英語教育」と題して菊谷と奥野の教育方針を伺いました。お2人とも真逆のアプローチでしたが同じ願いをお子さんに込められているということが分かりました。
その際に奥野の体験談から、プリスクールに通わせるなら何歳くらいからが良さそうかというお話を伺いました。 引き続き、現在はお子さんを日本のが学校に通わせている奥野が、英語教育をどのように考えていらっしゃるのか伺っていきます!
生活のベースが日本語になると英語はどんどん忘れていってしまう気がします…。
今はどのように英語を維持する(忘れないようにする)工夫をされていますか?
奥野
長男は、年長まで保育園では英語、家では日本語という環境だったんですけど、小学校は公立の日本の学校に行っているので、今は日本語がものすごく伸びています。プリスクールに行っていた時は同年代の子どもと比較すると日本語の語彙力が少し足りていなかったり、日本語がたどたどしいというか、すぐに日本語が出てこなかったりしていました。例えるならルー大柴さんのような(笑)日本語と英語が混じっていて、英語はすごく発音が良いみたいな状態でした。しかし今ではすっかり日本語が流暢です。 プリスクールの頃と比べると英語は忘れてきているという印象を強く感じます。とは言え日本語の小学校に入ってからは、プリスクールで通っていたところのアフタースクール、いわゆる英語の学童、そしてマリースクールに通わせて英語を少しでも維持できるようにと意識しています。
英語に触れる機会が増えるように工夫されているのですね。これは仮の話ですが…もしも奥野さんのお子さんが英語を途中で嫌いになってしまったらどうするんだろう、と思ったのですが、いかがですか?
奥野
それはしょうがないですね(笑)
英語をやる目的が、彼にとってはまだ掴めていないはずなんです。「なんで英語をやらなきゃいけないの?」と息子に聞かれたらしっかり必要性を伝えるつもりですけど、それで彼が納得しなかったならもう仕方ないなと思っていて。とは言え、幼い頃に蓄積された英語の聞く力だったり、読み方だったりの基礎力みたいなものは既に身に付いている様子なので、彼がもう一度英語に興味を持った時に、それが少しでも助力になってくれればと思っています。僕の場合は、一般的な日本の教育のみだったので、中学生から英語を学び始めましたが、いざ英語でコミュニケーションを取る、情報を得る、仕事をするための英語を習得するのはかなりのハードルで、結構苦労したので、彼の未来の選択肢を少しでも増やせるようにしてあげたいなと思っています。
たしかに日本人にとって英語を習得するハードルは高いように感じます。英語教育が盛んになってきているのも頷けますし、インターナショナルスクールはどんどん流行る気がしています。
ただ、インターナショナルスクールを検討している親御さんの中には、アイデンティティ・クライシスを懸念されている方もいらっしゃると思います。生活のベースが英語圏になると、「自分は日本人なのかどうか」という自己喪失に直面するお子さんは多いのではないでしょうか。
このことは、奥野さんがインターナショナルスクールではなくて、日本の学校を選択された理由にもなっているのでしょうか?
このことは、奥野さんがインターナショナルスクールではなくて、日本の学校を選択された理由にもなっているのでしょうか?
奥野
そういうことを耳にしたことはありますが、そういうことが理由ではないです。
私は自分の子には、将来どこに住んでいようと、日本人としてのアイデンティティを持って生きてほしいと思っています。私がシンガポールで仕事をしていた時、周りにはシンガポール人、イギリス人、マレーシア人と色々な国籍の方がいる中で、やっぱり仕事をしっかりやり切ってくれるのは日本人だなという印象がありました。会社や一緒に働いた仲間によるのかもしれませんが、日本人は、振られた仕事をこなすのはもちろん、臨機応変に対応しつつ、やり切ってくれるイメージです。他国の方はどちらかというと、結構重要な仕事で期限があっても、時間になると帰ってしまうイメージでした。その日本人の方々が優秀だったのかもしれませんが、日本の教育環境で育ったからこその軸みたいなものがあるなと感じました。だから私は息子たちを日本の教育環境で育ってもらい、日本人特有のやり切るとか進んで取り組むといった”真面目さ”をしっかり持った上で、世界に出る時のハードルが少なくなるようにコミュニケーションツールとしての英語を使えるようになってもらえたらなと思っています。
世界に羽ばたくには英語が重要だからこそ、英語だけではなくて日本人らしさをしっかり育んでほしいというお考えがあったのですね。インターナショナルスクールではなく、あえて日本の学校に通いながら英語を身につけていく、という選択はとても素敵だなと思いました。
次回は「インターナショナルスクールに通う子の意外な悩み」について菊谷に伺います!
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